プロセスベースモデルの応用

既に知られている知見や理論に基づいて対象とするシステムや現象を定式化し、現況の再現や将来予測等に使用する。

魚類行動の時空間モデリング

先進的バイオテレメトリー手法により、対象魚の移動分散状況を追跡し、生態学的知識に基づいて行動モデルを構築し、得られたデータで検証する。

 バイオテレメトリーは、センサー等の機器の発達と小型化により、急速に成長している観測手法です。当研究室では、先進的なバイオテレメトリー手法を使用し、農業水域(河川や農業用水路)に生息する魚類の移動分散パターンの定量評価を目指しています。一般的には、海域や湖のような広大な水域で適用されてきた同手法を、小河川や農業用水路に適用することは非常にチャレンジングですが、これにより得られる成果は非常に大きいと考えています。最終的には、各種のモデルを構築し、よりよい水環境の設計・管理に貢献することを目指しています。

Schooling fish 

流域水文モデリング

対象地域の地形特性やデータの寡少性に応じて、圃場~集水域~流域のマルチスケールにおいて水文モデルを構築し、農業生産や水管理等の最適化を目指す。

 水圏インフォマティクス研究で適用する手法は、現象の再現や予測という側面では非常に有用ですが、その反面、プロセスの記述がなされていないため(一般に、ブラックボックスと呼ばれます)、現象の理解を深めるためには、プロセスベースの研究アプローチも非常に重要です。水文研究の歴史は古く、数多くのモデルが開発されていますが、近年では汎用ソフトが公開されており、これらの有効利用も大きな潮流となっているようです。これらの手法では、地形特性や土地利用等の情報が必要であり、モデルパラメータも膨大ではありますが、各種水文現象のプロセスが解き明かされる点で非常に興味深いトピックです。

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